「仕事をこのまま続けていいのかな」「一度立ち止まって休みたい。でも、空白期間がこわい。」
そんなモヤモヤを抱えながら、休職・退職・転職、そして「キャリアブレイク」という言葉に興味を持ちつつも、不安のほうが大きくて動けない……。そんな方は少なくないと思います。
そこで「キャリアブレイクな日常」では、20〜50代を中心とした男女350人にアンケート調査を行いました。
「キャリアブレイク」という言葉を知っている人はどれくらいいるのか。実際に経験した人はどのくらいの期間・どんな目的で休み、お金はどうしていたのか。そして、いちばん大きな不安は何だったのか。
この記事では、その単純集計の結果をもとに、キャリアブレイクの「期間」「お金」「不安」「その後のキャリア」のリアルを、できるだけやさしく整理していきます。
てぃ〜さん今まさにキャリアに悩んでいる方が、「自分だけじゃないんだ」と少しほっとできて、「だったらこんな準備をしてみよう」と考えるきっかけになればうれしいです。
キャリアブレイクとは?今回のアンケート調査について
調査の対象とサンプル属性
今回の調査は、2025年10月30日に「キャリアブレイクに関する調査」として、回答者350人の単純集計結果をまとめたものです。年代で見ると、30代が34.3%で最も多く、次いで40代28.6%、20代と50代がそれぞれ17.1%でした。つまり、20〜50代のビジネスパーソンが中心のデータです。
性別は男性50.0%・女性50.0%。職業は、会社員(正社員)が41.1%と最多ですが、パート・アルバイトが16.6%、専業主婦が10.0%、無職が14.3%など、働き方や立場はさまざまな人が含まれています。
「特定の業界だけ」ではなく、幅広い働き方の人たちの声として読んでいただければと思います。
「キャリアブレイク」という言葉の認知度は約1割
まず、「『キャリアブレイク』という言葉を知っていますか?」と聞いてみました。


- 「知っている」…11.1%(39人)
- 「知らない」……88.9%(311人)
約9割の人が、言葉としての「キャリアブレイク」は知らないという結果になりました。
一方で、後ほどご紹介するように、「実際にキャリアブレイクにあたるような期間を取ったことがある人」は決して少なくありません。
名前はまだマイナーだけれど、実態としてはすでに存在している休み方、それが「キャリアブレイク」なのかもしれません。
キャリアブレイクの認知と経験状況【どれくらい身近な選択肢?】
キャリアブレイク経験者は約4人に1人
次に、「キャリアブレイクを経験したことがありますか?」と聞きました(n=350)。


- ある(キャリアブレイク中)……12.3%(43人)
- ある(過去に経験した)…………12.9%(45人)
- なし(今後検討中)…………………9.7%(34人)
- なし(検討していない)…………65.1%(228人)
現在キャリアブレイク中の人と、過去に経験したことがある人を合わせると 25.1%(88人)=約4人に1人が経験者 です。
「キャリアブレイク」という言葉の認知は1割ほどでしたが、経験そのものは決してレアなものではないことが分かります。
「興味はあるけれど踏み切れていない」層も約1割
「今後検討中」と答えた人は9.7%(34人)でした。
つまり、経験者25.1%+検討中9.7%=約35%、およそ3人に1人はキャリアブレイクに何らかの関心や経験を持っていることになります。
「気になっているけれど、仕事やお金、将来を考えると怖くて踏み出せない」──この記事を読んでいる方の中にも、そんな状態の方が多いかもしれません。



このあとご紹介する数字は、まさにその「検討中」や「これから経験するかもしれない」読者の方にとっての参考材料になりそうです。
キャリアブレイクの期間と過ごし方【どれくらい休む?何をしている?】
半数近くが1年以上のキャリアブレイクを経験
キャリアブレイク経験者(n=88)に、「もっとも直近のキャリアブレイクの期間」をたずねました。


- 2週間未満〜3ヶ月未満……合計25.0%
- 3ヶ月以上〜6ヶ月未満……12.5%
- 6ヶ月以上〜1年未満………13.6%
- 1年以上〜2年未満…………10.2%
- 2年以上………………………38.6%
6ヶ月以上のキャリアブレイクが合計62.5%、1年以上に限っても48.9%、2年以上が38.6% という結果で、想像以上に「長期で休んでいる人」が多い印象です。
一方で、4人に1人は3ヶ月未満の比較的短い期間で区切っており、「まずは短めにお試しで」という休み方も一定数あることが分かります。
「キャリアブレイク=数ヶ月の小休止」というイメージだけでなく、半年〜数年単位でゆっくり立て直す時間として使っている人も多い、というのが今回の結果でした。
過去に別の会社などが実施した調査結果をまとめた記事も参考にしてください。


なぜキャリアブレイクをとるのか?経験者と検討者の理由
キャリアブレイクをした理由(経験者 n=88)は、次のような結果でした(単回答)。


- 怪我・病気などに伴う療養…………29.5%
- リフレッシュ…………………………17.0%
- 転職専念………………………………13.6%
- 学び・資格取得………………………11.4%
- 育児……………………………………11.4%
- 長期旅行………………………………5.7%
- 介護……………………………………4.5% など
最も多かったのは「療養」で、体や心の不調がきっかけでキャリアブレイクに入った人が多いことがうかがえます。その一方で、「リフレッシュ」や「転職専念」「学び・資格取得」「育児」など、前向きな目的も幅広く挙がっています。
一方、「今後検討中」と答えた人(n=34)に「キャリアブレイクを検討している理由」を聞くと、


- 学び・資格取得…………29.4%
- リフレッシュ……………29.4%
- 怪我・病気などに伴う療養・転職専念…各11.8%
といった結果でした。



これからキャリアブレイクを取りたい人は、「学び直し」や「心と体を整えるリフレッシュ」をイメージしている人が多いようです。
キャリアブレイク中の過ごし方:趣味・療養・転職活動など
実際にキャリアブレイク中をどう過ごしていたか(複数回答・経験者 n=88)も聞いています。


- 自分の趣味……………………36.4%
- 療養・リハビリ………………29.5%
- 転職活動………………………22.7%
- 資格取得………………………17.0%
- 育児……………………………10.2%
- 旅行……………………………9.1% など
複数回答のため合計は100%を超えますが、
「自分の趣味」「療養・リハビリ」といった“整える時間”と、
「転職活動」「資格取得」といった“次の一歩の準備”を組み合わせている人が多いことが見えてきます。
「キャリアブレイク=ただ何もせずダラダラする時間」というよりは、
休みながら、自分やこれからの働き方に向き合う時間として使っている人が多い、というデータと言えそうです。
キャリアブレイクとお金【貯蓄・毎月の支出・収入源】
ブレイク前の貯蓄額:100万円未満が約半数
「キャリアブレイクを実施する直前の資産状況」(経験者 n=88)をたずねたところ、次のような結果になりました。


- 50万円未満……………………………28.4%
- 50〜100万円未満……………………18.2%
- 100〜250万円未満……………………22.7%
- 250〜500万円未満……………………18.2%
- 500〜1,000万円未満…………………5.7%
- 1,000万円以上…………………………6.8%
貯蓄100万円未満の人が46.6%、100〜500万円未満が40.9%、500万円以上は12.5% です。
「何千万円も貯めないとキャリアブレイクはできない」というよりは、数十万〜数百万円の貯蓄の範囲でも、実際にブレイクしている人が多いことが分かります。



もちろん、生活スタイルや家族構成などによって必要な金額は大きく変わるため、一概には言えません。あくまで「経験者の分布」として、目安にしていただければと思います。
毎月の生活費:8割以上が20万円未満でやりくり
「キャリアブレイク中の毎月の平均支出」(経験者 n=88)は、次の通りでした。


- 10万円未満……………………55.7%
- 10〜20万円未満………………26.1%
- 20〜30万円未満………………12.5%
- 30〜50万円未満…………………2.3%
- 50万円以上………………………3.4%(合計)
8割以上(81.8%)が月20万円未満で生活しているという結果です。
ブレイク前より家賃の安い場所に引っ越したり、固定費や交際費を見直したりして、「支出を下げる工夫」をしている人が多い様子がうかがえます。
「自分の場合、月いくらなら生活できそうか?」
これを一度ざっくり試算してみると、キャリアブレイクの現実味が少し増すかもしれません。
主な収入源は「貯蓄+失業給付+配偶者収入・副業など」
「キャリアブレイク中の収入源」(複数回答・経験者 n=88)については、次のような結果でした。


- 貯蓄取り崩し……………………56.8%
- 失業給付…………………………25.0%
- 配偶者収入………………………19.3%
- 副業………………………………18.2%
- 株などの配当金…………………11.4%
中心になるのはやはり「貯蓄の取り崩し(56.8%)」ですが、それだけではなく、失業給付や配偶者の収入、副業、投資の配当などを組み合わせている人が多いことが分かります。


キャリアブレイク後の働き方とキャリアの変化
ブレイク後の働き方:正社員に戻る人も、契約・独立に進む人も
キャリアブレイクを過去に経験し、現在はブレイクを終えている人(n=45)に「現在の状態」を聞きました。


- 正社員(転職)………………35.6%
- 正社員(職場復帰)…………11.1%
- 契約・派遣……………………28.9%
- 独立……………………………6.7%
- その他…………………………17.8%
「正社員(転職+職場復帰)」を合わせると46.7%が正社員として働いていることになります。
その一方で、「契約・派遣」が28.9%、「独立」が6.7%と、正社員以外の働き方にシフトした人も少なくありません。
アンケートを見る限り、キャリアブレイクをしたからといって「再就職がまったくできない」というデータにはなっていません。
元の職場に戻る人、新しい正社員の仕事に就く人、契約・派遣や独立という形で働き方そのものを変える人など、キャリアブレイク後の選択はかなり多様です。
「やって良かった」4割、「良くなかった」は1割強
キャリアブレイクを経験した感想(経験者 n=88)については、次の結果でした。


- 良かった…………………………40.9%
- どちらともいえない……………47.7%
- 良くなかった…………………11.4%
「良かった」が約4割、「良くなかった」は1割強にとどまり、半数近くは「良くも悪くもない」「一言では言い切れない」と感じていることが分かります。



キャリアブレイクは、状況や目的、その後の状況などによって結果の感じ方が大きく変わるものだと思います。
だからこそ、「絶対にやったほうがいい」「絶対にやめたほうがいい」といった極端な話ではなく、自分にとってどんな形なら納得できそうかを考えることが大切になりそうです。
キャリアブレイク前の不安とイメージ
いちばん大きな不安は「再就職」と「お金」
キャリアブレイクを経験する前、あるいは検討段階で感じていた不安(複数回答・経験者+検討中 n=122)については、次のような結果でした。


- 再就職の難易度………………………50.0%
- 期間中のお金…………………………37.7%
- ブレイク後の年収低下………………29.5%
- キャリア・スキル断絶………………19.7%
- 周囲の目………………………………12.3%
- 特に不安はなかった…………………14.8%
もっとも多かったのは「再就職の難易度(50.0%)」、次いで「期間中のお金(37.7%)」 でした。
「ブレイク後の年収低下」や「キャリア・スキル断絶」も2〜3割の人が不安に感じていますが、「周囲の目」は12.3%と比較的低めです。
多くの人が気にしているのは、「他人からどう見られるか」というよりも、
「生活していけるか」と「ちゃんと仕事に戻れるか」――まさに現実的な部分だといえます。


キャリアブレイクのイメージ:休息の時間?それともリスク?
全体350人に「キャリアブレイクにどんなイメージを持っているか」(複数回答)も聞きました。


ポジティブなイメージとしては、
- 休息・リフレッシュのための余白期間…………22.3%
- 健康回復・療養のための治療期間………………18.3%
- スキル・能力開発のための計画的な期間………15.4%
- 人生と社会を見つめ直す期間…………………10.6%
- 家族ケアへの対応期間……………………………8.0%
などが挙がりました。
一方で、リスク面では、
- 再就職が難しくなるリスク……………………17.4%
- 所得減・家計負担のリスク……………………12.9%
- スキルの陳腐化・キャリアダウンのリスク……4.9%
- 社会的評価・周囲の目が厳しくなるリスク……4.9%
といった項目が選ばれています。
そして何より特徴的なのが、「よくわからない」が36.6%で最も多いことです。
「休息のチャンス」「リスクが怖い」という両方のイメージがある一方で、
そもそもキャリアブレイクがどんなものなのかイメージしきれていない人も多い、という状況が見えてきます。
だからこそ、今回のようなデータや、実際の経験談が、少しずつ「よくわからない」をほぐしていく材料になればと思います。
アンケート結果から見える「キャリアブレイクな日常」からのメッセージ
言葉は知られていないけれど、実は身近な選択肢
ここまで見てきたように、
- 「キャリアブレイク」という言葉を知っている人は 11.1%
- しかし、キャリアブレイク経験者は 25.1%(約4人に1人)
- 今後検討中の人を含めると、関心・経験を持つ人は 約3人に1人
というギャップがありました。
「自分だけがこんなことを考えているのかな」と感じてしまいがちですが、
データをみると、同じように立ち止まったり、休むことを考えたりしている人は意外と多いことが分かります。
名前はあまり知られていなくても、キャリアのどこかで「ブレイク」を挟んでいる人たちは、すでに私たちのまわりにいるのかもしれません。
不安と向き合いながら、自分なりのキャリアブレイクをデザインする
アンケートから見えてきたのは、
- 不安のトップは「再就職」と「お金」
- 実際には、半年〜数年のブレイクを経験しながら、正社員・契約・独立などさまざまな形で仕事に戻っている人がいること
- 貯蓄100万円未満でもキャリアブレイクをしている人が約半数おり、支出を抑えつつ、貯蓄・失業給付・配偶者収入・副業などを組み合わせて生活している人が多いこと
といった現実でした。
不安をゼロにすることは難しいですが、
数字を知ることで、「自分の場合はどうだろう?」と具体的に考えやすくなります。
- 自分は何のためにキャリアブレイクを取りたいのか(療養?リフレッシュ?学び直し?転職準備?)
- どれくらいの期間をイメージしているのか(まずは数ヶ月?それとも1年以上?)
- 毎月いくらあれば生活できそうか、そのためにどんな準備や制度が使えそうか
こうしたことをひとつひとつ言葉にしていくことが、「よくわからない不安」から「準備できる不安」へと変えていく第一歩になりそうです。
こんな人はアンケート結果を参考にしてみてください
- 仕事を辞めたい・休みたい気持ちはあるけれど、その後のキャリアやお金が不安な方
- 一度立ち止まって、学び直しやスキルチェンジをしたいと考えている方
- 心や体の不調が続いていて、「このまま頑張り続けていいのかな」と感じている方
今回のアンケートは、そんな方たちと同じように悩んだ人たちの「ひとつのリアル」です。
数字だけで答えが出るわけではありませんが、「自分だけじゃない」「こんなやり方もあるんだ」と感じる、小さな安心材料になればうれしいです。
キャリアブレイクは、「休職・無職という空白期間」ではなく、
自分の人生と働き方を見つめ直すための、前向きな選択肢のひとつとして、これからも一緒に考えていけたらと思います。
この調査結果を見るときの注意点
最後に、データの前提についても一言添えておきます。
- 本記事の数字は、回答者350人の単純集計結果にもとづいています。
- 年齢別・性別・職業別などの詳しい違い(クロス集計)までは実施していません。
- キャリアブレイクの前後での年収変化や、個別の事情・背景についても、この集計だけでは読み取れません。
あくまで、「こういう傾向の人たちがいた」という 一つのデータポイントとして、参考にしていただければと思います。
そのうえで、「自分の場合はどうだろう?」と照らし合わせながら、キャリアブレイクという選択肢の可能性を一緒に考えていけたらうれしいです。


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