キャリアについてなんとなく考えてはいる。
でも、このままでいいのか?という不安や、自分が本当にやりたいことは別にあるかも?といった悩みを抱えているあなたに手に取って欲しい書籍の紹介です。
「キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない」
こんなシチュエーションありませんか?
あなたの今後のキャリアプランについて教えてください。
えーっと・・・
職場で上司に聞かれたり、会社の同僚や先輩・後輩から聞かれた際に、それっぽい回答はするものの、実は自分でもあまりしっくりこないなと感じていませんか?
私もそうでした。
この本は、キャリアに関する新しい選択肢を提供し、自分のキャリアを考えさせてくれる本です。
自分自身の過去をふりかえってみても、「良い」キャリア・ビジネスマン、「普通」のキャリア・ビジネスマンという世間の常識に囚われていたと感じます。
よくよく考えると、
「普通」って何でしょうね?
「良い」というのは「誰に」とって「良い」のでしょうか?
「ありたい自分」に悩んだ時に、キャリアブレイクという選択肢を知っているかどうかで人生が大きく変わることもあるかもしれません。
今回の記事では、近頃話題の「キャリアブレイク」に関する最新書籍『キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない』について紹介&レビューしていきます。
キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない
石山 恒貴 (著), 片岡 亜紀子 (著), 北野 貴大 (著)
Amazon:単行本:2,860円(税込)
⭐️日本初のキャリアブレイクを学術的に分析した書籍
商品紹介(要約)
日本で、キャリアブレイクに関する書籍の2作目。
日本のキャリアブレイクに関する研究の最先端をいく3名の共著です。
1作目の本より、大学の先生がお二人著者に加わっていることで、キャリアブレイクに関する歴史的な文脈等が学術的、体系的に整理されています。
また、本書籍であらためて、キャリアブレイクを再定義されています。
本書は、キャリアブレイクに関する書籍ですが、
ありがちなハウツー本のように、〇〇最高!〇〇さえしてればOK!といった感じで、キャリアブレイクの実施を推奨している訳ではないというのがユニークなところです。
キャリアの空白期間(ブランク)をネガティブに捉えるのはなく、キャリアブレイクという選択肢があって、こういう見方や解釈をすると面白いのでは?と世間に問いかける本です。
キャリア形成における選択肢の1つとしての新しい考え方と、実際のキャリアブレイク事例も提示してくれているので、キャリアに関して不安や悩みを抱えているあなたはぜひ読んでみてください。
全6章で、目次としては、下記です。
- 第1章:キャリアブレイクの定義
- 第2章:キャリアブレイクの背景
- 第3章:キャリアブレイクを支える理論
- 第4章:キャリアブレイク研究所の事例
- 第5章:キャリアブレイクの実態とプロセス
- 第6章:共通プロセスの解釈とキャリアブレイクの方向性(対談形式)
本の感想
一言でまとめると、
『キャリア』について新しい視点で考えさせてくれる本でした。
キャリアの範囲を「ワーク」と認識するか、「ライフ」と認識するかで空白(ブランク)という意味合いが変わる(ライフ:人生に空白はない)という捉え方をしています。
- 「ありたい自分」を模索するために、キャリアブレイクを良い転機とする。
- その過程で、少しずつ自己効力感を得ることで「ありたい自分」に近づける。
- この期間は、空白(ブランク)ではなく、「ありたい自分」を考える重要な期間ではないか?
- 実際にキャリアブレイクをした人達は、離職・休職期間をポジティブなものとして捉えている。
みなさんどうですか?面白くないですか?と、問いを投げかけてくれている本です。
この問いに対して、私の回答はこれ。
ええやん!おもろいやん!(関西弁)
私自身、現在キャリアブレイク真っ只中なわけですが、これまでのキャリアを振り返ってみた時に、世間一般の常識に囚われたサラリーマン人生を過ごしてきたように思います。
読み終わった後に、ライフキャリアを考えた時に思ったことは、
「ありたい自分」は、変わりゆくものではないか?
ということでした。
ある時期に考えていた「ありたい自分」に到達する。その後も人生は続いていく。そこからまた新しい「ありたい自分」を探していく。
人生が終わりのないマラソンや旅だとしたら、ずっと走り続けることは無理。
もちろん頑張る時期があっていい。
でも、時々ブレイクを入れながら、自分のペースで人生を面白く、楽しんでいくのが自然だなと感じました。
特に面白かった部分:5選
個人的に特に面白いと感じた部分を5つを、簡単に紹介します。(※あくまで個人的な解釈による感想です。)
以下、ネタバレ要素もあるので、ご注意ください。
キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない
石山 恒貴 (著), 片岡 亜紀子 (著), 北野 貴大 (著)
Amazon:単行本:2,860円(税込)
⭐️日本初のキャリアブレイクを学術的に分析した書籍
日本的雇用(無限定総合職、標準労働者、マッチョイズム)
日本でキャリアブレイクが受け入れられにくい構造的要因の原因ではないか?と筆者が考えられている特徴が3つあり、これを日本的雇用として紹介されているパート。
なるほどー、確かにーと思う場面がたくさんありました。
わかりやすく指針を示すには、標準・一般的で、将来の見通しが容易で比較しやすいモデルが必要だったために、世の中でいう「普通」が、今の時代にそぐわないモデルを「普通」としてしまっていると感じ、日本のキャリアに関する歴史的な負の遺産があるように思いました。
転機と自己効力感
転機のプロセスに関する3つのモデル・分析と自己効力感について紹介されているパートです。
離職・休職期間に、この転機のプロセスと自己効力感の変化が生じることで、キャリアブレイクの期間として捉え直す。
キャリアブレイク研究所が提唱している、キャリアブレイクの5段階のプロセスを学問的に捉えるとこういうことなのかなと感じました。
よい転機が生まれる、離れるという効能
これまで所属していた会社やコミュニティから離れることで、「私」を主語に、自分の人生を取り戻すことができるのでは?と問いかけているパートです。
社会に出て仕事をしていると、自分の意見はありつつも、主語は「社会や会社の中で求められている私」の意見で、自分ですべて決定するという機会は少ないですよね。
私を主語に「自分で意思決定する」ことで、本来の自分を取り戻していくことができるというのは、非常に共感できました。
キャリアブレイクの共通プロセス
キャリアブレイクに関する共通のプロセスとして全部で15個の項目があり、大きくは3つの段階に分かれてるそうです。
自分は今このプロセスにいるのかなーと考えながら読んでいました。
私は9番目の「試行錯誤としての様々な行為」のプロセスにいる気がします。
身近な人にキャリアブレイク中の方がいる場合に、このプロセスを知っていると関わり方が見えてくるように思いました。
「ありたい自分」とは何か?
6章の対談形式の部分が一番面白かったのですが、この本は「キャリアブレイク」を扱っているわけですが、裏テーマとしては、この「ありたい自分」というのがあると思いました。
「ありたい自分」を探すために、「キャリアブレイク」を活用している。でも、世間では離職・休職により、キャリアに空白を作ることをネガティブに捉えていることが多いのでは?
「ありたい自分」を探すための時間を取りたい時に、気軽に取れるように「キャリアブレイク」という文化にしたい。面白いと思ってもらいたい。
著者の御三方の想いを感じられるパートです。
個人的にもっと知りたい要素
多くの事例が載っており参考になる部分が多いですが、ネガティブだった事例も含まれているとキャリアブレイクに興味がある人にとってはより参考になったかもしれないと感じました。
ネガティブな体験だった人はそもそもインタビュー等に協力してくれないことも考えられるので、なかなか現実としては難しいかもしれません。
オススメの読者と本書を読むメリット
オススメの読者としては、キャリアに不安や悩みを持っているすべての人と、その悩みを相談されたり、解決するためのアドバイスや教育をする人にもオススメです。
本書を読むことで、キャリアというものの理解をより深めると同時に、「ありたい自分」を探す選択肢の考え方を得ることができます。
キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない
石山 恒貴 (著), 片岡 亜紀子 (著), 北野 貴大 (著)
Amazon:単行本:2,860円(税込)
⭐️日本初のキャリアブレイクを学術的に分析した書籍
まとめ
いかがでしたでしょうか?
社会人や学生の方には、一読の価値はある本です。
キャリアブレイクに関する書籍はまだまだ少ないですが、これからさらに注目されていくと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
このサイトでは、他にもキャリアブレイクに関する情報やキャリアブレイクの日常を発信しているぜひそちらもご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考になった、面白いと思った方はぜひコメントやシェアいただけると励みになります。
コメント